【将棋用語】解説によく出てくる将棋用語(何個か)


1)長考
1手に持ち時間の多くを費やして考えることです。プロの将棋は、棋戦によって持ち時間がさまざまです。持ち時間が5時間以上の将棋では、1手に2時間かける長考もしばしば見られます。また、持ち時間が40分など、持ち時間の短い将棋では、10分・20分でも長考と言われます。
2)少考
長考に対して、1手に少しの持ち時間を費やして考えて指すことです。
3)ノータイム
自分の手番になった際に、時間を使わずにすぐに指すことです。棋戦などにより異なりますが、持ち時間のある将棋で、一手1分未満で指すと「ノータイム」といいます。駒の取り合いなどの一直線の変化や、読み筋と同じ手で進んでいる場合などはノータイム指しになることが多いです。
4)好手
状況を良くする、良い指し手のことです。手の広い局面でとりわけ良いと思われる手のことを、好手と評価されます。駒の取り合いなどの一直線の進行では好手とは言いません。
5)妙手
好手の中でも、とりわけ巧妙な手や、ぱっと見では気づきにくい手のことを妙手(みょうしゅ)と言います。
6)最善手
ある局面でいくつか良い手に見える候補がある中で、最も良い手と判断されたものを最善手と言います。2番目に良い手のことを最善手に対して次善手と言います。
7)悪手
好手の反対で、状況を悪くしてしまう指し手のことです。ある一手をきっかけに、局面が悪くなった、良かったはずの局面が互角に戻った、逆転してしまった、という場合にはその一手は悪手と評価されます。
8)ポカ
悪手の中でも、一気に悪くしてしまう手のことです。簡単な手を見落としてしまうことによって、駒を取られてしまうなど、うっかりしてしまったというニュアンスが含まれています。
9)頓死
指し手そのものの評価ではないですが、不注意・見落としにより、いきなり玉を詰まされてしまうことを頓死(とんし)と言います。本来すぐには詰まないはずが、逃げ方を間違えるなどで、即詰みになってしまうことです。プロ棋士は、数十手の詰みはすぐに読み切る方々ばかりですが、それでも思考の盲点に入ってしまうなどして頓死をしてしまうことがあります。
10)疑問手
いくつか候補の手が見えていた中で、それとは違う、思わしくない手を指したときに疑問手と評価されます。局面が進んで少し形勢を損ねたときなどに、「あの手はどうだったのか疑問」のようにも言われます。検討された後には、「あの手は悪手だった」と評価されることもあります。
11)勝負手
手に秘めた狙いの成否に関わらず、局面を大きく変える手のことです。主には形勢を損ねている側の手段で、そのまま進んでしまうとどんどん悪くなってしまうため、勝負手を放つことで局面を動かしにいくのです。勝負手を放った瞬間には良いか悪いかの判断はつかず、後の展開によって判断されることが多いです。
12)指せる・指しやすい
し有利と思われるという形勢判断のことです。「この局面は先手が指せる」「先手がやや指しやすい」という表現をします。
13)指しにくい
指せるとは反対に、少し不利と思われる形勢判断のことです。「先手が指しにくい」のように使われます。
14)評価値
コンピュータソフトの形勢判断で、数値で示されているものを評価値と言います。0が互角で、プラスの点数は有利なことを、マイナスの点数は不利なことを示します。詰みを読み切った場合には、勝つ方を+9999、負ける方を-9999と評価するのが一般的なようです。